夕暮れのクラークキーの空を見上げると月が見えた。
クラゲのような雲を大きな透明な傘の向こうに、一枚。

シンガポールの空が奇麗なのは夕暮れだと再認識。
暮れなずむクラークキーの雑踏を「上を向いて歩こう」を口ずさみながら歩いた金曜日だった。
まだ、20代の頃(93〜95年くらい)にタイ・チェンマイのホテルのバーで、何か歌えとタイ人スタッフからせがまれたことがある。
ステージ上のバンドに「スキヤキ・ソング」知っているか?と聞くが首をかしげる。ちょっとメロディーを歌い、これで伴奏をとリクエストしたが、途中で音が途切れた。
どうもだめのようだ。あきらめて席に戻ろうとしていた。
が、その時に客席から、やおら立ち上がった数人の(アメリカ人だったろうか)西洋人がステージに上がってきた。
各自がバンドから楽器を取り上げ、OK!との声。
彼らをバックバンドにして「上を向いて歩こう」を歌った。
もちろん日本語で。
日本人の上司(奇しくも九ちゃんと同じあの飛行機に同僚が乗っていた)とタイ人スタッフから拍手喝さいだったのはいうまでもない。
人には各自、応援歌がある。
私にとってのそのひとつは「上を向いて歩こう」なのだ。
あなたの応援歌は何ですか?