2006年05月20日

失われた時を求めて*昭南神社の方へ(探検記)

歴史マニアの私にとって、行きたくて行けなかった場所。それが昭南神社。廃墟となっている神社はMacRichie(マクリッチ)貯水池公園のジャングルの中に位置する。
2006年5月13日の土曜日、シンガポール自転車日記のmoshihoさん、Aさん(仮名)、そして家人との4人で、それは決行された。
待ち合わせは7時30分AMにLornie Road(ローニー・ロード)の駐車場トイレの前。
出発は7時45分AMだった。
時計と逆周りに歩く。

まずはレンジャーハウスにたどり着き、来た道とは異なる道をmoshihoさん入手情報の目印を探して歩く。
ここだ!岩が数個並んでいる。その2つの岩の向こう側に道がある。
gatetojinjya1.jpg   gatejinjya2.jpg
9時AM前にジャングルへの最初の突入がされる。
途中不思議と道をはずれてしまった様、振り向いた私たちにジャングルは無常にもそ知らぬ顔を見せる。焦る4人。よく見ると目印の折った草木が目に入る(チルチルとミチルの様に目印にパンを使わなかった私たちは大人だったと言えよう)。
歩くこと2時間、ようやく振り出しに戻る。11時AM前にジャングル突入口に脱出成功だ。
再度のトライか、中止か悩む中。検討結果、11時5分AMに再度ジャングルへ足を踏み入れる。フト、心の中では翌日のストレイトタイムズの一面を飾る無謀な4人の顔写真を思い浮かべるが、必死にそれを打ち消す。

道は続く、どこまでも。
roadtojinjya1.jpg   roadtojinjya2.jpg
途中、数箇所で倒木などがあり、迂回路を取りながらもひたすら歩く。

11時25分くらいに着いたのは、とある廃墟。水源とされたこの貯水池の関連施設か?ちょっと不気味な様相を見せる。
haikyo1.jpg   haikyo2.jpg
ジャングルに入って、30分(遅くとも40分)以内にこの場所にたどり着かない場合には、確実に道を間違ったと思って間違いないであろう。

神社に到着だ!鳥居はなくなっているが、石段ははっきりと残っている。
jinjyastairs2.jpg   jinjyastairs1.jpg

神社到着は、12時PM前。約50〜55分くらいかかった計算。

手水所(ちょうずどころ)は綺麗に残っているといっても良いのかも?
chouzuba.jpg
ひとまず、ここで手を清めた(清められたかははなはだ不安)。

本殿は果たしてこの場所にあったのか?写真を撮ってみた。
honden.jpg   hondenpanel.jpg   hondenphotobook.jpg
シンガポールの案内パネルや本で見ると、このような建物であったらしい。

ゴルフ場の方から対岸を見る。このあたりに神社があった。
jinjyadirection.jpg
60年の歳月とはこのようなものなのだろうか?

探索結果、ちょっとわかりかねたのがこの跡が当時の橋の跡なのかどうか?
bridegeruin.jpg   bridegepanel.jpg   bridegephotobook.jpg
パネル(1981年の様子)と本(橋がある当時)の写真を見てみる。
どうも現在残るこの跡は橋の跡ではないように思えるのだが。
神社跡前に船着場のような石があった。そこに橋が架かっていたのではないだろうか?

神社跡を探索した後に、橋の跡を探し歩いたが、降り始めた雨が豪雨となった為に、ひとまず神社跡に引き返し、ジャングルを出ることに。

神社跡出発:12時30分PM
廃墟通過:12時50分
ジャングルへの入り口へ帰還:1時20分PM

レンジャーハウスに戻り、そこからTree Top Walk(ツリートップウォーク)へ迂回し、つり橋を渡り、貯水池を一周した時には時計は3時40分PMを指していた。

*備考:
昭南神社 
1942年6月に建設が始められた神社は、1942年12月に完成。敗戦時に日本軍の手によって破壊された。昭南神社として造営される前の照南神社は別のところにあったとされる。神社建設には近くに設置されたSime Road CampのPOWs(戦争捕虜)などが使役に駆り出された。建設材料は遠く日本からも運ばれてもきたという。

註:
これを見て、行ってみようと思われるかもしれないが、覚悟が必要である。
その理由は、
1、ワニ注意の看板があるらしい(私は発見できなかったが)。
2、毒をもつ蛇がいる可能性は充分に考えられる。
3、迷うといつ出てこれるかわからない。方向感覚が麻痺してしまう。
4、やはりあまり気持ちのよい場所ではなかった。霊感などある人はちょっと駄目かもしれない。
5、何よりも体力。私たちは結局8時間ほぼ歩き続けた。
私自身は、しばらくは行くつもりはないので、ご容赦の程。

posted by さとかず at 23:42| Comment(13) | TrackBack(1) | ●シンガポール | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
川口探検隊を思い出しながら拝読しました。とても興味ありますね。でも、ワニに注意だの毒蛇だの書かれてあるとちびってしまうKiasuです。でも、本当に興味ある記事でした。何かまたおわかりでしたらBlogで記事にしてください。楽しみにしています。
Posted by Kiasu at 2006年05月21日 00:30
川口探検隊、実はそれを思い浮かべながら書きました。木などに引っかけて、Tシャツひとつ駄目にしてしまいました。なかなかハードでした。
行ってからできた皮膚の炎症がまだ治りません。何かにかぶれたのでしょう。

そうそう、その夜は夢にうなされました。
Posted by さとかず at 2006年05月21日 11:59
お疲れ様でした。
あれから一週間、今朝もマクリッチーを起点に4時間走って歩きました。例の入り口(作為的に枝木で覆われていた)を通り過ぎ、ライフルレンジリンク、ブキティマ山を周遊してきました。私も被れて赤く発疹が出来たのですが、皮膚科に行ってもらった薬を塗ったら跡もほとんど消えました。
Posted by 隊員A at 2006年05月21日 16:23
読みながらドキドキしました。
次回は是非青いつなぎを着ていってください。
Posted by Madam Y at 2006年05月21日 16:32
隊員Aさん
いや〜、以前からのお知りあいとは奇遇でした。しかし、さすがすごい体力です。

Madam Yさん
次回は行くとしたら、カヌーを借りて湖側からでしょうね。茨の道を、歩くのはもうこりごりです。
Posted by さとかず at 2006年05月22日 08:32
そういえば、まもなく天皇陛下が来星される筈ですね!?どういうところを訪問されるのか興味深いところです。(昭南神社跡とは行かないでしょうが....)
Posted by 隊員 at 2006年05月23日 00:51
ふふふ、追っかけ計画中です。
まずは、イスタナ前に待機でしょうかね。
近々、イスタナ公園前の新しくできたカフェを偵察してきます。
Posted by さとかず at 2006年05月23日 08:06
さすが抜かりありませんね!
沿道に日本の国旗が配られるのでしょうか?また、シンガポールで日本の国旗を打ち振って、バンザイしても逮捕されないでしょうか?(そんな法律が無いか念の為調べたほうが良いかも?)先日、日本文化好きのローカルの若い知り合いに話したら、珍しく嫌な顔を見せました。やはり、【天皇】・【日の丸】・【バンザイ】に対して嫌悪する刷り込み教育が効いてるみたいです。
Posted by 隊員A at 2006年05月23日 11:08
臣さとかずとしては、「天皇陛下万歳!」と叫ぶべきかどうか、悩ましいところです。
エリザベス女王来星時に、イスタナ前では動物愛護団体のぬいぐるみで拘束された人間がいたことが脳裏に浮かびました。
シンガポールの警察、万歳をする手を上げると共に寄ってきそうです。

さて、ある人から聞きましたが、日の丸は大丈夫ですが、旭日旗はまずいそうです。帝国陸海軍を想像させるのでしょうね、多分。
Posted by さとかず at 2006年05月23日 11:50
天皇陛下の日程が決まりましたね。
時事通信ニュースでは今回の訪問では戦争に纏わる施設には足をお運びにならないとの報道がありました。具体的な訪問先として挙げられていたのは、チャイニーズガーデン、植物園、親交のあった一般人家庭、国立図書館などのようです。23日に顧問相と小泉首相との会談で最終決定されたんですね。どうも、図書館は顧問相のお気に入りのようで特別に要請した模様です。

一方、小泉首相との会談で顧問相は靖国問題に関しては小泉首相の考えを擁護するような発言をしたみたいですね。その裏には何があるんだろうか???
Posted by 隊員A at 2006年05月25日 02:10
隊員Aさん
なるほど、なるほど、参考にさせていただきます(ちょっと時事通信というのが信憑性に欠けますが)。

さて、小泉首相と指導相ですが、同じ頑固者同士気が合ったのではないでしょうか?
そんなことないか。
指導相はラーマン首相から非難されながらも40年前に日本との国交を樹立した主役ということを忘れてはいけません。徹底した反共にも関わらず、自国の為にはにこやかに中共詣でも辞さない政治家です。日本と上手く付き合うことはシンガポールにとって利があるということなのでしょうね。

Posted by さとかず at 2006年05月25日 10:30
天皇陛下のスケジュールが日本大使館HPにアップされていました。どうなんでしょう?一般人がお顔を拝見できるのは日本庭園か国立図書館のようですね!
さて、さとかずさんの作戦は如何に???
Posted by 隊員A at 2006年05月26日 10:36
思案中です。ねらい目は大統領官邸に入る寸前ではないかとも思っております。
隊員Aさんのご予定は?
Posted by さとかず at 2006年05月29日 09:01
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昭南神社まで その1
Excerpt: 昭南神社(Shonan Shrine、英語表記はSyonanなど混乱している)を知っていますか、と書いたのはもう1年以上も前のはなしになってしまいます。このブログを始めた頃の話です。  昭南神社..
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Tracked: 2006-05-22 01:16